今日の一冊
内容(「BOOK」データベースより)
解体された神様、鉢合わせの泥棒、歩き出した轢死体、拳銃を拾った失業者、拝金主義の富豪―。バラバラに進む五つのピースが、最後の一瞬で一枚の騙し絵に組み上がる。ミステリを読む快感と醍醐味がここに!新潮ミステリー倶楽部賞受賞第一作。
内容(「MARC」データベースより)
歩き出したバラバラ死体、解体された神様、鉢合わせの泥棒-。無関係に思えた五つの物語が、最後の最後で一つの騙し絵に収録する。これぞミステリー!
登場人物
- 伊藤 額屋でアルバイトしている。
- 戸田 拝金主義の画商
- 黒澤 探偵兼泥棒
- 佐々岡 黒澤の同級生
- 河原崎 高橋という教祖を崇拝する団体に所属 父は自殺。
- 塚本 河原崎の指導役
- 京子 心理カウンセラー、ダブル不倫の末、お互いの結婚相手を殺害しようと画策
- 豊田 リストラされ、再就職試験に落ちまくっている
- 今村 自力で万有引力の法則を発見
あらすじ
黒澤、河原崎、京子、豊田の全く無関係ぽい4人の話が時間軸もばらばらに登場する。
ネタバレすると
この話は①河原崎②黒澤③京子④豊田の順番に起こった話。
それぞれの話は簡単に書くとこんな感じ
①河原崎の話
河原崎は、事件を解決したこををきっかけに教祖になった高橋を崇拝する宗教団体に所属している。
そこの指導役の塚本が河原崎に「神(高橋)を解体しないか?」と誘う。
神だったら解体できわけがないそれを確かめようというのだ。
だが、高橋を解体していたつもりが実は別人であること(影武者)が判明
塚本が自分を殺人犯に仕立て上げようとしていたことに気づき2人はもめ河原崎は塚本を殺してしまう。
塚本は高橋が番号を予想した宝くじをもっていますそして殺されて河原崎が手にします
②黒澤の話
河原崎が人を殺している(塚本)隣の部屋で音楽を聴いてる。
翌日、河原崎が死体(塚本)を運んでいる最中に出くわす。
ここで宝くじが黒澤の手に。
その後黒澤は元同級生の佐々岡に偶然出会う。
そして黒澤に会って話をしたことで佐々岡は妻(京子)と別れることを決断する。
黒澤は出会った犬の首輪に宝くじを付ける
③京子の話
W不倫中の京子はお互いの配偶者を殺害することを計画するが、殺害予定日に夫(佐々岡)が離婚を切り出してきたので夫の殺害計画は取りやめに
不倫相手の青山の妻を殺害するためにコインロッカーに預けた拳銃をとりにこうとするが鍵を紛失する。
さらに京子と青山車で移動中人(これが河原崎がどこかに埋めようと思って運んでいた塚本)をひいてしまい殺してしまう(実際はすでに死んでいる)。
とりあえずトランクにこの死体を入れて(塚本)ドライブ続行。
ところが途中で河原崎が塚本の死体を取り戻し、代わりに二人で解体した死体(偽高橋)をトランクに戻す。
トランクの中に入っていた死体がバラバラになり驚く京子。
さらに、当初の予定通り青山の妻を殺そうとしたらトランクが勝手に開き死体が急に歩き出してもう京子はパニック。(これは殺害計画に気づいた青山の妻がトランクに隠れていて逆に京子を殺害しようとしていたため)
青山が計画に気づいた妻に寝返ったのをしり愕然となる。
④豊田の話
足に障害を持っている息子(これいつも伊坂作品にでてくる田中だと思う)がいる男の代わりにリストラを受け入れた豊田。
だがその後救ったはずのその男もリストラされていることを知り、豊田にリストラを言い渡した舟木に復讐を試みる。
そして青山が寝返ったことで茫然としふらふら歩いていた京子が野良犬に危害を加えようとしたところに遭遇犬を助ける
その犬がコインロッカーのカギを拾い京子の拳銃を手に入れる。
舟木をうってやろうと家までいくが出てきたのは黒澤。
豊田は結局舟木への復讐をあきらめる。
そして犬の首輪には・・・宝くじが
感想
このいろいろな出来事が最後には一つにつながる感じと、悪いことしている人が全然悪い人に見えないむしろ律儀で真面目に見えてしまう面白さは伊坂作品ならでは。
後あらすじ途中まで描きましたが、伊坂作品はネタを聞いても全く面白くないのが伊坂作品だなぁ。
いろんな視点でいろんな話がなんだかんだとつながっていく過程が面白いのでそれをあらすじで最初から遠して書くと全然面白くならない・・・。
この本はこんな人におすすめ
- 伏線の回収が大好きな人
- 泥棒の黒澤さんが好きな人
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