今日の一冊
内容(「BOOK」データベースより)
引っ越してきたアパートで、最初に出会ったのは黒猫、次が悪魔めいた長身の美青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ち掛けてきた。彼の標的は―たった一冊の広辞苑。僕は訪問販売の口車に乗せられ、危うく数十万円の教材を買いそうになった実績を持っているが、書店強盗は訪問販売とは訳が違う。しかし決行の夜、あろうことか僕はモデルガンを持って、書店の裏口に立ってしまったのだ!四散した断片が描き出す物語の全体像は?注目の気鋭による清冽なミステリ。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
伊坂/幸太郎
1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒。96年、『悪党たちが目にしみる』で第13回サントリーミステリー大賞に佳作入選後、2000年『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビューする。清冽な感性とパズル的な構成が融け合った独自の作風を開拓し、第4長編『重力ピエロ』は大好評を博した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
あらすじ
椎名は東北の大学に入学するため、関東から引っ越してきた。
下宿先のアパートは、8部屋しかない。
最初に挨拶できたのは一匹の黒猫。窓から入ってきたので外に出す。
外に出てボブ・ディランの「風に吹かれて」を口ずさんでいると、全身黒ずくめの男(河崎)に「ディラン?」と声をかけられたので、椎名は「ディラン」と返す。
「誰かが来るのを待っていたんだ」と河崎は言い、先ほどの猫はシッポサキマルマリという名前と教えてもらう。
もう一人の住人は、アジアからの留学生恋人と別れてから引きこもっている。
かわいそうに思った河崎は彼に辞書をプレゼントしたいらしい。
そして河崎は言う、「一緒に本屋を襲わないか?」
ここで話は2年前にさかのぼる。
琴美はペットショップから逃げた黒柴を探しにブータンからの留学生恋人ドルジと一緒に街を歩いていた。
黒柴を探している最中に猫が車に轢かれる場面に遭遇。
かわいそうにおもった二人は猫を埋めるために公園へ向かう。
そこで男2女1のグループがペンチでいたぶったり足を切断したりして動物虐待を楽しんでいるという話をしているのが聞こえて、琴美は怒りを覚える
そこで向こうがこちらに気づく・・・
「お前ら何してるんだよ」
現代に戻って、
椎名は本屋で広辞苑を買えばいいと当たり前の提案をするが、河崎はあくまで「本屋で襲って奪った広辞苑が欲しい」と言い張る。
河崎の考える作戦は次の通り。
- 襲撃は閉店間際を狙う。
- 本屋の中には河崎が一人で入る。
- 僕の仕事は裏口でモデルガンを持ってドアの前に立ち、1回3分の「風に吹かれて」の曲を10回歌うこと。そして裏口から逃げれないことを教えるために2回歌うごとにドアを蹴ること。
よくわからないが実行する椎名。
ところが盗んできた本は「広辞苑」ではなく「広辞林」
ここからねたばれ
実は椎名が河崎だと思って話していた人物がブータン人のドルジ。
事件の真相はドルジの復讐。
2年前動物虐待犯の居所をしった琴美は犯人たちの車にはねられて亡くなっていた
そこでドルジと琴美がごく短期間だが付き合ってた元カレ河崎は復讐を計画。
犯人の一人が本屋の息子ということを突き止め二人で本屋を襲撃しようとしていたところ、河崎が病気で死亡。
そこにやってきたのが椎名だった。
ドルジは広辞苑を盗むといって椎名に裏口を見張らせていたが、実際は犯人を半殺しにしてた。
好きな言葉
楽しく生きるには二つのことだけ守ればいいんだから。
車のクラクションを鳴らさないことと、細かいことを気にしないこと。それだけ。
不安をともなわない自信は、偽物だ
感想
椎名人が良すぎというか流されすぎというか。
映画版は濱田岳なんだけどそれがぴったり。
この本を読んだ人にはこんな本がお勧め
この作品は原作も面白かったのですが映画もよかったです!
なのでぜひ映画版を
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