【探偵小説ぶったぎり】名探偵の掟 東野圭吾

今日の一冊

内容(「BOOK」データベースより)

完全密室、時刻表トリック、バラバラ死体に童謡殺人。フーダニットからハウダニットまで、12の難事件に挑む名探偵・天下一大五郎。すべてのトリックを鮮やかに解き明かした名探偵が辿り着いた、恐るべき「ミステリ界の謎」とは?本格推理の様々な“お約束”を破った、業界騒然・話題満載の痛快傑作ミステリ。

著者について

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。’85年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。著書に『悪意』(双葉社)、『私が彼を殺した』(講談社)ほか。’99年『秘密』(文藝春秋)で第52回日本推理作家協会賞受賞

 あらすじと感想

名探偵天下一(金田一をパロってる)と警部の話。

推理小説家がお約束として使っていた手法を、東野圭吾がエッセイ形式じゃなく小説世界にいるとわかってる自称名探偵と刑事が事件解決していきながらおもしろおかしくぶった斬ってます。

プロローグ

警部の苦労が書かれている。これから先の物語はすべて回想。

密室宣言 ―トリックの大様

村でおこった殺人事件。密室状態での殺人、村の人々はたたりだというが・・・

密室を毛嫌いする探偵。密室と宣言するのも恥ずかしい

犯人をつかまえてからどうやって密室にしたかを聞き出せばいい」とか言っちゃう(笑)

確かに!!

意外な犯人 ―フーダニット

有名な画家が自宅で殺され容疑者は5人に絞られた。

誰が犯人なのか。

まさか?自殺ってことに??

いやさすがにそれは・・・

と話す警部と天下一の会話で動揺しちゃう作者

結局犯人は被害者が2重人格で右脳に産まれた別人格が元の人格である被害者を殺したということで自殺ではなく殺人という結論

屋敷を孤立させる理由 ―閉ざされた空間

指折りの資産家のパーティで殺人事件。

屋敷を行き来する道は閉ざされ完全孤立状態に

わざわざ完全孤立状態な場所で殺人起こすより街中で通り魔的に殺した方が捕まる可能性低いけどね。ミステリーだから閉ざされないとだめなのよ

 トリックは家全体が行き来してた。(なんだそれ)

最後の一言 ―ダイイングメッセージ

殺害された社長のダイイングメッセージ。

犯人の名前を書かずにあえて暗号でダイイングメッセージ残すなんてまぁ現実的ではないよね。

でもミステリーだから普段は死ぬ人もその辺気を使ってます

今回はダイイングメッセージかとおもいきやイシャヨベというメッセージだったというオチ

アリバイ宣言 ―時刻表トリック

OLを殺害した男んは完璧なアリバイがあった。

しかし探偵はこの完璧アリバイ崩す?

西村京太郎サスペンスを批判(笑)

確かに時刻表・・・

『花のOL湯けむり温泉殺人事件』論 ―二時間ドラマ

有名な温泉地でOLが死亡する。

2時間ドラマとして女性探偵として登場した天下一が2時間ドラマならではのお約束をしながら解決

複雑で巧妙なトリックも2時間ドラマように簡単に短縮

スポンサーが自動車メーカーだと自動車事故で死ぬわけにもいかない。

切断の理由 ―バラバラ死体

バラバラ死体が見つかった。犯人が死体をバラバラにした理由とは?

郵便局に勤める犯人がロープの跡がミシン目にみえて切断せざるを得なかったって(笑)

トリックの正体 ―???

遺産相続の件で集められた黄部家の人々。

その晩餐会で銃声が響き渡り、隠し子を名乗る灰田が殺された

しかも天下一は犯人の後を追うも犯人は、屋敷内で忽然と姿を消してしまう

女装して一人二役をした男性など見たらすぐばれるわ。という話

まぁこれは最近はきれいな男性がいるからなぁ。

殺すなら今 ―童話殺人

離島で怒った連続殺人事件。童謡の歌詞通りに起きる殺人事件の結末

子守歌にそって二人の人間が便乗殺人してた。最後には村中今ならばれないかもと殺し合いがスタート

アンフェアの見本 ―ミステリのルール

社長が毒殺された。刑事たちは身内の犯行と判断するも、結末はミステリーのルールから外れるアンフェアなもので・・・

びっくりさせるためには警部も犯人に仕立て上げる 

禁句 ―首なし死体

展望台で冒険家の首なし遺体が発見される。しかしその時間に塔に上ったのは被害者のみ。犯人はどのように殺害し、どのように塔から姿を消したのか?被害者の首が持ちされられている理由とは?

車のトランクにたまたま鋸が入ってるなんていうご都合主義もミステリーだと当然ありうるのです。

首切断理由は死体をヘリウムガス入りの風船で飛ばそうとしたけど重かったから重い頭を切断したというもの。

凶器の話 ―殺人手段

資産家が殺害されるも凶器がわからない。天下一がそれを見事に解き明かすもその後死体検案の結果を聞いた警部は天下一のあるミスに気づく

血を凍らせて凶器にしたという真相にたどりつくも、その後検視結果をみるとどうやら単なる事故が真相

最後の選択 ―名探偵のその後

シリーズものの名探偵が犯人になるべきか否かを問いかけて終わり。

この後の名探偵の呪縛を考えるとここでいったん天下一は死んだと考える

エピローグ

警部が犯人に これもよくある手法

これを知ってるとさらに楽しめる!『ノックスの十戒』

  1. 犯人は物語の当初に登場していなければならない
  2. 探偵方法に超自然能力を用いてはならない
  3. 犯行現場に秘密の抜け穴・通路が二つ以上あってはならない(一つ以上、とするのは誤訳)
  4. 未発見の毒薬、難解な科学的説明を要する機械を犯行に用いてはならない
  5. 中国人を登場させてはならない[2]
  6. 探偵は、偶然や第六感によって事件を解決してはならない
  7. 変装して登場人物を騙す場合を除き、探偵自身が犯人であってはならない
  8. 探偵は読者に提示していない手がかりによって解決してはならない
  9. サイドキック[3]は自分の判断を全て読者に知らせねばならない
  10. 双子一人二役は予め読者に知らされなければならない

ノックスの十戒 – Wikipedia引用

この本はこんな人におすすめ

  • 推理小説好き
  • 推理小説を違った角度から楽しみたい
  • 小説家の毒吐きを面白可笑しく読みたい

この本はドラマ化されていました



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