殺した夫が帰ってきました 桜井美奈

#推理小説 #殺した夫

あらすじ(ネタバレあり)&感想

まず題名がうまい

「殺した夫が帰ってきました」って読みたくなる。

あらすじはこんな感じ

アパレルメーカーでデザイナーの仕事をしている鈴倉茉奈。彼女は最近仕事の取引先の男からのストーカーに悩んでいる。偶然を装い現れる男。うまく断り切れずに困っていたところ、ついに男は家までやってきた。

偶然だなぁといいながら家に入ろうしてくる・・。

そんな怖い状況を救ってくれたのは、夫。

茉奈の夫が5年ぶりに帰ってきた。

彼は記憶をなくしているらしく、仕方なく茉奈は彼と一緒に暮らすことになる。

過去何かあれば暴力をふるっていた男と目の前にいる男はまるで別人で‥。

夫は本当に人が変わってしまったの?それとも別人?そもそも彼はいきていたの?崖から突き落としたはずなのに?

というお話。

結局実は幽霊とか知らなかった夫の双子の兄とかではなくミステリーとしてちゃんとしたオチになっていました。

ここからネタバレ

小説には彼女の小さい頃からの不遇が差し込まれています。

親に愛されずとなりの家にすむおばさんに学校かわりに勉強を教えてもらい、ある程度の年齢からは母の男等に体の関係を持たされ、家を飛び出してからも体を売って生計を立てる主人公。

その不遇からのがれるために妊娠を機に男と結婚し不幸からの脱出を図ったのに結局DVで流産し結局男を殺してしまったのか・・と思っていたのですが、妊娠したのは主人公と同じ仕事をしていた主人公と同じような境遇の主人公の唯一といってもいい友人

あれ?とこの辺りで分かり始めますが、結局主人公の友人が夫を殺した茉奈。主人公はその友人と一緒に警察に向かうところで震災に。高台に逃げるも逃げ遅れてギリギリのところで彼女の手を取ることができず彼女のバッグを手にとり(それが彼女を救う目的か彼女をあきらめ彼女に成りすます気持ちがそこにあったのか主人公自体はわからないと答えている)それ以降彼女の名前を偽って暮らしていたのです。

なぜならば主人公には戸籍すらなかったから。

で、この死んだはずなのに帰ってきた夫というのは本当の夫ではなく、茉奈の母が再婚した何人目かの男の息子で数カ月だけ茉奈と一緒に暮らしていた血のつながらない兄でした。

茉奈が主人公に見せた夫の写真が本物の夫ではなく自分が生涯で唯一ちゃんと好きだった男の写真だったため主人公がこの男を夫と勘違いしたというのが真相

血のつながらない兄(警察官)は茉奈が現在ちゃんと暮らしているのかが気になり調べたところ知らない女性が茉奈を名乗っていて、その真相をしるために調べていたということでした。

うんすごくよくできてる話。

ただ、自分の夫の写真として義理の兄の写真を見せるかなぁ‥。

少なくとも結婚する前は暴力ふるわれることもなくこの人と幸せになりたいと思っていた茉奈がなんで夫の写真として昔好きだった義理の兄の写真を出すの???

そこだけかなり引っかかった‥。



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