【香は記憶を支配する】コイノカオリ 角田光代 島本理生 他

今日の一冊

内容(「BOOK」データベースより)

どんな恋にも、その時だけの特別な“カオリ”がある―ゆるくつけたお気に入りの香水、彼の汗やタバコの残り香、ふたりでつくった料理からあがる湯気―柔らかく心を浸す恋の匂いをテーマに、今、一番鮮烈な“恋の描き手”たちが集う。漂う6つのフレイバーが呼びおこすのは、過ぎ去ったあの日のこと?それとも―?6人のラブストーリーテラーが供する、せつなさのスペシャリテ。

著者について

直木賞を受賞した恋愛文学の旗手から、早熟の天才少女作家まで。いま、もっとも切実な恋を描く6人の女性。

あらすじ&感想

水曜日の恋人 角田光代

水曜日母に連れられて遠くの習字を習いに行っていた。帰りに母は同じ匂いがする若いイワナさんと一緒に迎えに来る。そのイワナさんが母の恋人と知ってからも主人公はこの水曜の時間が大好きだった。

ところが母はイワナさんと別れたようで習字も辞めることに。その後イワナさんが学校に来ていたので主人公はイワナさんと遊ぶことに・・・

なんというか母目線で読んでしまって、主人公は「イワナさんとの思い出をよいもの」として覚えているようだけどやはり傷つけたのではないかなぁと感じてしまう

なので大人になった今も安いラブホテルのシャンプーでイワナさんを思い出しながら現在不倫中の家族ある男性を送り出すという描写がが痛い・・・

最後の教室 島本理生

過去に定時性の高校に通っていた男性。久しぶりに高校に訪れて先生に聞いたのは当時付き合っていた女性について。

少し年上だと思っていた彼女は実は・・

泣きっつらにハニー 栗田有紀 

アルバイトで働くことになったマッサージ店。

昔は風俗だったけど現在は健全なマッサージ店になっている

はちみつを使ってマッサージをする店で働く主人公

はちみつでマッサージされている描写が本当に気持ちよさそうなんだけどこれ実際はどうなんだろうからだにいいならやりたい

海のなかには夜 生田紗代

苦手だけど好き。好きだけど苦手。と感じている先輩。

付き合っていたけどきっともう別れることになるだろう

そんな時に部活の合宿があり海に行く。

そこで夜に先輩と少しだけ話をすることに

日をつなぐ 宮下夏都

14歳の時に出会った同級生の男子とずーっと付き合って彼の転勤を機に結婚。今は小さい赤ちゃんと実家から遠く離れた場所にいる。

毎日泣く赤ちゃん

幸せだけど・・・だけど・・・

バイオリンを弾いてみたいと楽器店にいったら子供用を紹介されてしまい落ち込むシーンわかるなぁ 

たんたんとしているけどとても心に残るお話。

犬と椎茸 井上荒野

小さいころから仲が良かった一つ年上の真梨恵さんから久しぶりに会いたいと連絡があった。彼女の夫はかつて自分が付き合っていて結婚まで考えていた相手で・・・

死ぬ間際になって夫と過去の女の間になにかなかったかを聞きに来た真梨恵

今の夫はかつて好きだった人とは全然違うから愛せると思っていたけどそうはいかなかった主人公。

二人に愛された男性

このまま陳腐な不倫になってしまうのかと思ったけどそうならなくってそこがいい小説でした

まとめ

過去に行った場所等にいくと「あーここ前にも来たなぁ」って緩い感じ思いだすけど、そういうのとは違って香りは感じた瞬間にばーーーっと過去のことが思い出されてしまう

懐かしいなぁとかはでなくそれこそ映像の様に

思い出したくないとかそういう気持ちも無視するのである意味ずっと狂暴

とかそんなことを思いました。

同じテーマで色んな作者が作品を書くというのが大好きです



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