今日の一冊
内容(「BOOK」データベースより)
受験戦争はらくらく通過、就職活動は売り手市場。苦労知らずで、おめでたくて、50代になっても後輩気分。愛すべきバブル世代に斬りこむ、自虐的(?)新・世代論。メディア、ファッション、名付け、ITなど、世代代表・酒井順子が見る、バブル世代の功罪とは。
「BOOK」データベース
著者について
●酒井 順子:さかいじゅんこ●1966年東京生まれ。高校在学中より雑誌にコラム連載。立教大学卒業後、広告代理店勤務を経て、執筆業に専念。著書に『負け犬の遠吠え』婦人公論文芸賞、講談社エッセイ賞を受賞。
感想
私は世代でいうと超氷河期世代。
東京ラブストーリーを小学生の頃にみて自分もいつかあんな風にバリバリ働いて恋もしてって思って、そのために中学受験も頑張った。
実際中高のほんの少し上の先輩たちは大学時代浮かれて遊びまくっていても卒業時には大手の企業から何社も内定貰っていたのに、自分の番になると突然の超超超氷河期。
毎日何社も履歴書書いても全く受からない。
努力してなかったわけじゃないのに・・・
しかも両親はまだまだ根性や努力がものをいった時代の人間で根性や努力なんかではどうにもならないということまではわかったけどそれを環境や時代のせいにすることなんて考えもせずただただ自己嫌悪に陥っていた。
なのですみません私たちほんと楽してしまってダメな世代なんです。
でもそれを人に言われても怒らない寛容なところもあるんです
っていうスタンスのこのエッセイはめちゃくちゃ読んでいてしんどかったです。
実際は違う。
この人はアッシーくんメッシーくんなどつくって浮かれたりもしてないし、玉の輿狙いの就職ではなく、ちゃんと広告代理店で働きその後もこうやってバリバリ働いている
でも単なる自虐的エッセイなんだってわかっていても
羨ましいやら妬ましいやらで
50代ともなるともう東京は疲れたとなって友人等の間でも西田敏行さんされている「人生の楽園」をみてはああいうのいいなーって話をするのが楽しい年ごろになりました。
セカンドライフを優雅にもくろんでいるのがひゅがきに苦労して就職した世代には許せないのでしょう・・まぁそんなカリカリしないで・・といってもきっと
と文章につっこみつつ読んでました
また決してバブル世代だってバブルを起こした世代ではないのは分かっていますが
バブル世代の親世代が全共闘世代で親が若い頃を後悔しているせいかその反動で子供であるバブル世代は突出して政治無関心世代でもあり、無関心だったけどなんとなくバブルでいえーいって就職できちゃってでも崩壊しちゃったころには自分たちは一応安全圏。
後ろに続く氷河期世代がクレバスに落ちているのにはしごをとりにいくこともなく「あー・・」と棒立ちしてたから肩身が狭い
という話。
いや今更そうだそうだ!と怒ることではないですが、本当そうだなぁって思ってしまった。
なので
氷河期世代は誰からも助けられることもなく生きてきたバブル世代が今バブル期の大量入社で大量に余っていてお荷物となりリストラ対象になっている
という内容には
それはやっぱり
周りに流されてなんとなくでやり過ごせると思ってしまった自分の計算ミス
なんだから助ける必要あるのかなぁ
なんてイライラしながら読んじゃいました。
でもそういう風に書いてくれてるんだなわざと。
結局この本は、
大多数のバブル世代の人達が「俺(私)だって苦労したよ。確かに氷河期世代大変だったけど活躍してる人だっているじゃん」と思っているなかあえて「いやー楽しちゃいましたごめんなさい」って楽してないであろう著者が言ってくれることで、私たちが普段心のどこかで思っている「なんでこの世代だけこんな・・」という怒りの持って行き場を作ってくれてる
そういう本だと思います。
ということで無事怒りの持って行き場を見つけました。
いやカリカリするわ!!