砦なきもの 野沢尚

今日の一冊

砦なき者 (講談社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)

報道番組『ナイン・トゥ・テン』に売春の元締めとして登場した女子高生が全裸で首を吊った。恋人を番組に殺されたと訴える青年八尋樹一郎の姿は、ライバル局の視聴率を跳ね上げた。メディアが生んだ一人のカリスマ。その邪悪な正体に気づいたのは、砦を追われたテレビマン達だった。『破線のマリス』を超える衝撃。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

野沢/尚
1960年、愛知県名古屋市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。1983年第9回城戸賞受賞。1985年テレビドラマ「殺して、あなた」で脚本家デビュー。以後テレビ、映画で活躍。1997年『破線のマリス』で第43回江戸川乱歩賞受賞。同年『恋愛時代』で第4回島清恋愛文学賞受賞。1999年テレビドラマ「結婚前夜」「眠れる森」で第17回向田邦子賞受賞。2001年『深紅』(講談社)で第22回吉川英治文学新人賞受賞。テレビ作品「親愛なる者へ」「青い鳥」「氷の世界」「水曜日の情事」などのほか「川、そして海へ」での倉本聡、三谷幸喜氏との共同脚本も話題に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

感想

1年ほど前に読んだ本。
一度ドラマ化されていて、その後野沢さんは自殺されている

報道番組で「売春の元締め」として紹介された女子高生が自殺する。
その後彼女は無罪で、テレビのせいで自殺に追いやられたという少年が登場する、
テレビ局は彼をカリスマのように取り上げるが。。。。

ネタバレになっちゃうけど
宮部みゆきの「模倣犯」を思い出すような作品でした。

カリスマ性のある人間がもつ闇光があたってる人物だからこそ闇はより黒く読んでてぞくぞくしてとても面白かったです。

そして顔が見えない大勢の闇がさらにさらに怖かった

その悪を生み出したテレビ世界もとてもリアルに描かれているため「実際おきそうかも」って思えて
(私の中でミステリーは「絶対ないとはいえない」というリアルさがとても重要)楽しめました。

それにしてもテレビという世界にどっぷりつかりながらそこにメスを容赦なく入れる野沢作品。
真剣に向き合うからこそかける作品だけどつらかっただろうな。。。



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