【桜木紫乃といえば北海道と思いきや舞台は沖縄】光まで5分 桜木紫乃

今日の一冊

内容(「BOOK」データベースより)

北海道の東の街から流れ流れて沖縄にやってきたツキヨは、那覇の路地裏にある「竜宮城」で身体を売っている。奥歯の痛みに耐えられなくなったツキヨは、客に教えてもらったもぐりの歯医者を訪ねた。元歯科医の万次郎と呼ばれる男は、同居しているヒロキという青い眼をした若者の背に、モナ・リザのタトゥーを入れているところだった。ヒロキと気が合ったツキヨは、「竜宮城」を出て万次郎たちと暮らすことにするが―。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

桜木/紫乃
1965年北海道生まれ。2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞を受賞。’07年、同作を収録した『氷平線』でデビュー。’13年『ラブレス』で第19回島清恋愛文学賞、『ホテルローヤル』で第149回直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

あらすじ 感想

今回は沖縄が舞台

といってもカラっとはれた空に白い雲そして白い砂浜に青い海!は出てきません

沖縄の細い道を行ったところにある竜宮城という場所で売春している北海道出身の女性(38歳)が主人公。歯が痛くなりお金もないのでお客に聞いた潜りの歯科医の場所で歯を抜いてもらう。

それをきっかけに売春をやめてその家で名義上死んでいる歯科医と父を名乗る男に暴力で支配されているヒロと3人で住むことになり…。

ヒロは純真無垢で幸せそう。でもヒが連れてくる猫はたいていすぐに死んでしまう。きっとヒロはうまく死なせることができる天使のような存在七と思う。なので、ヒロと一緒にいた歯科医も死んでしまう。きっと3人を引き合わせて主人公のことをひどく傷つけた男もこの後死ぬことを示唆。

そして、主人公は竜宮城に戻る。

退廃的!!

とにかくみんなふつうに生活をすることができずただただ海にただようわかめのように流されて生きていくのを読んでるとなんだか毎日仕事してる私の方が変なのかな?って気分にさせられます。

義父に性的虐待を受けていたことが彼女の人生を大きく変えた事は間違いないんだけど、それを「私傷ついてます」という書き方ではなく何度もなんなら淡い思い出のように思い出すことで描いてるあたりに作者の人物描写のうまさを感じました。



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