家族じまい 桜木紫乃

内容(「BOOK」データベースより)

認知症の母と、齢を重ねても横暴な父。両親の老いに姉妹は戸惑い、それぞれ夫との仲も揺れて…。別れの手前にある、かすかな光を描く長編小説。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

桜木/紫乃
1965年北海道生まれ。2002年「雪虫」でオール讀物新人賞を受賞。07年に同作を収録した単行本『氷平線』を刊行。13年『ラブレス』で島清恋愛文学賞を受賞。同年、『ホテルローヤル』で第一四九回直木賞を受賞し、ベストセラーとなる

あらすじ&感想

思っていたよりはライトな内容だった。

前の話の関係者が次の話の主人公になる短編集。

1話 智代

子供はすでに巣立ち夫と二人の生活。ある日母がすでに認知症になっていると連絡があり、父と母に会いに行く 父はずっとどっかで一山あてたいと色々なことに手を出し失敗してきたタイプでそれが少し自分の父に似ていてでも父は母が認知症になったらこうやってかいがいしく世話をするだろうかと思うとそうはならないんだろうなと思ったりして ついつい自分に重ね合わせて読みました。

夫婦はお互いの親の面倒をどうするかなどの話を今までしてこなくてこれからしていく感じだけど、母親の認知症も想像していたほどではなくこれからでも間に合いそうで割と救いのある話。

2話 陽紅

1話で夫の兄(55歳)が28歳の女性と結婚が決まったという話が出てきて、その28歳の女性が2話の主人公。28歳で55歳の男性と結婚するっていう設定のみで色々勘ぐってしまったけどそこまでどちらにも悲しい過去があるわけではなく まぁこれでよかったんじゃないかなという二人。

ただ孫が欲しくてこの縁談を成立させた義母は「面倒見なくていい」を条件にしているけどそれはどうかな・・。反故されそうな気がするけど

3話 乃理

1話の主人公の妹 私は弟がいて、あからさまに私より弟を愛している。と書くと私がそれを不幸と思っていたりすねてるようにとらえられるかもだけど実際小さい頃の弟はかわいくて私も溺愛していて(いじめもしたけど)なのでそんな弟を私は母と共にかわいがったという感じ。

でもこれが妹だったらもう少し複雑な感情を抱いたんじゃないかと思う。

乃理は今でも姉と自分どちらが親に必要とされているかをとても気にしているタイプ。

なので両親を自分たちの住む場所に呼んで一緒に住むことを決めれたんだろうな。

4話 紀和

認知症を患う妻と一緒に最後の旅行に出かけた夫妻。船で旅行に出かけた二人が出会ったのはそこでサックスを演奏する女性が主人公

ここで夫が紀和に妻を若い頃殴ってることや今でも手が出るという告白をしていて一気に夫婦を見る目が変わった。

5話 登美子

認知症を患ってるサトミの姉が主人公。この主人公にも娘が2人いるんだけど一人は行方知れずで一人は縁を切るために今回母を呼びだしている

その後最近会ってないサトミのことが気になりあいに行く。

若いときにもあったけど、義弟はまたサトミのことを殴っていたよう・・

全体的に絶望とまではいえないものの重い。

自分の両親の老いもそして自分自身の老いについても考えちゃいました



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