今日の一冊
新世界より
内容紹介
1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖(かみす)66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄(しめなわ)で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力(念動力)」を得るに至った人類が手にした平和。念動力(サイコキネシス)の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた……隠された先史文明の一端を知るまでは。 (講談社文庫)
第29回日本SF大賞受賞 第1位
ここは病的に美しい日本(ユートピア)。
子どもたちは思考の自由を奪われ、家畜のように管理されていた。
手を触れず、意のままにものを動かせる夢のような力。その力があまりにも強力だったため、人間はある枷を嵌められた。社会を統べる装置として。
1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖(かみす)66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄(しめなわ)で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力(念動力)」を得るに至った人類が手にした平和。念動力(サイコキネシス)の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた……隠された先史文明の一端を知るまでは
あらすじ&感想
私はミステリーやホラーは大好きなのですが、どうもファンタジーが苦手。
小説という嘘の世界に入り込むためには嘘は一つにしてくれていた方がのめりこめるから。
でもこれはめちゃくちゃ面白かった
単行本3冊にわたる割と長い話なんだけど一気読みしました。
細部にわたってものすごくきちんとつくられてるので、SF苦手な私でも十分にその世界に入りこむことができました。
最初は主人公である早季と一緒にこの『新世界』について学び、そのうち早季と一緒にこの『新世界』に疑問を抱き、そして最後には早季と同じように人間について考えさせられました。
SFのはずなのに、いかにもありえそうって思わされてしまいます。
戦争そして戦争そして戦争。
人間って戦争をしないと何も学べないのかと悲しくなります
ちなみに、結構気持ち悪いシーンもいっぱい出てきます。
なので食事してから読むのはお勧めできないかも
舞台は1000年後の日本。
そこには、呪術を使う日本人が昔ながらの生活をしている。
まわりにはバケネズミなどの今の日本には存在しない固有種がたくさん存在するが、村はいたって平和。
のように見える。
でも本当は全然違って、超能力を使えない子供や利己的な思想の子供は消されたりする徹底管理社会。
そんな社会を生きる主人公たちを応援していたら、最後の最後で彼女たちが戦い、そしてバカにしてたネズミの方が昔超能力を使えず超能力を使える彼女らの先祖にネズミと交配させられ虐げられてきた旧人類だった。
つまり自分たちの先祖はそっちだったーというお話。
とかなり端折ったけど中身はめちゃくちゃ濃いです。
完全に一つの世界観を作ってる感じです。
すごいな貴志祐介。
おすすめ度
。
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